研究概要 |
各種産業用回転機械はますます小型化,軽量化が進む一方,高速化が進んできている.このような状況では振動防止のために剛性ロータのみならず弾性ロータのつりあわせを,今まで以上に精密に行うことが必要となってきた.従来のバランサは,剛体モードの振動を計測し,不つりあいを2面で同定し,つりあわせ修正を行う.これはダイナミックバランスと呼ばれ,工場内での製造過程で使われる.さらに出荷後,現地で振動が大きい場合にはフィードバランスによりつりあわせを行ってきた.一般にこのフィールドバランスは大規模となり,手間を要し,費用がかさむ.そこで,工場の製造過程においてもっと高速まで回転させ,弾性モードをも容易につりあわせることができる迅速処理のロータバランサが望まれる. 本研究では上のような弾性ロータバランサの開発を目的とするものである.つりあわせの方法としては共振点付近でロータ自体を加振器をアクチュエータとして加振制御し,そのときのロータに加えた加振力の大きさと位相を較正し,不つりあいを同定することで,つりあわせを行う.この研究では加振力,位相をマニュアルで制御した実験と,さらにこれを自動的に行うように発展させたフィードフォワード加振システムを理論的,実験的に行った.
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