研究概要 |
視覚を持つ移動ロボットにおいては,視覚認識のコストが一般に多大であるので,行動に必要な情報だけを,観測位置や視線を能動的に制御しながら,効率よく獲得することが望ましい.また,領域の重要度に応じて記述の疎密を制御し,必要な部分の処理に重点をおくことが望ましい.この目的のもとで,本研究では,購入したワークステーションを用いて,以下の手法を研究した. ステレオ視覚によって得られたデータから空間を障害物,自由空間,どちらか不明な領域に分類する.移動ロボットの目的地を考慮して,不明な領域のうち再観測すべき領域を決定し,カメラの視線とズ-ムを制御して新たなデータを取得し,いままでのデータに統合する手法を研究した. 移動ロボットが動きながら獲得した多視点ステレオデータを,動きの不確かさとステレオデータの不確かさを考慮しながら統合することにより,障害物領域を信頼性よく抽出する手法を開発した.さらに,ロボットの行動(障害物間をすり抜けて目的地へ到達する)に必要な環境の領域(通り抜けられるかどうかが不明な領域)についてのみ,データの獲得・統合処理を行うことにより,環境認識を高速化する手法について検討した. 以上の手法について,実際の移動ロボットを用いて基礎実験を行い,その有効性を確認した.
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