研究概要 |
本研究は,レーザー誘雷実現を目指したレーザーによる放電誘導のメカニズムの解明を第一の目的とし,現在,その基礎研究として小型のレーザーを用いた短ギャップでの放電誘導のメカニズムについて調べている。特に,レーザーで生成されるプラズマの特性(電子密度,中性粒子密度,イオン密度)を調べ,それらの放電誘導との関係を明らかにするものである。 本年度は,まず異なる雰囲気ガス中におけるレーザー生成プラズマ中の電子密度をトムソン散乱法により計測した。その結果,1個のプラズマ内の電子密度は,雰囲気ガスが酸素の場合においてはプラズマ生成後数10μsで10^<23>m^<-3>〜10^<21>m^<-3>のオーダーまで急激に減少市,電子親和力の高い酸素分子への電子の付着によるものと考えられる現象が現れた。 次にレーザー生成プラズマによりガス密度の変化を計測した。これは,昨年度までの短ギャップにおける小型レーザーを用いた放電誘導実験においてプラズマ生成後600μs付近で放電誘導効果が高くなったため,その原因を明らかにするためである。プラズマ生成からその後の2msまでプラズマの軸,径方向についてレーリー散乱法により詳細に計測した。その結果,プラズマ生成後数100μsにおいてガス密度の希薄な部分が最も拡がることがわかり,前述した放電誘導実験での放電誘導効果の高い理由としてガス密度の希薄化が大きく影響していることがわかった。
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