研究概要 |
近年,半導体応用機器などの普及に伴ない,電力系統の電圧波形に低次の高調波電圧を含む場合があり,各種電気機器に悪影響を及ぼし,問題となってきている。本研究は、こうしたひずんだ電圧波形の系統に,冷却用などとして多数用いられているコンデンサ誘導電動機(以下,CRMと略記)を接続した場合にCRMより生じる電磁振動を理論的かつ実験的に解明しようとするものである。昨年度までに主たる実験データを得ているが,本年度は更に以下の実験を行った。(1)運転コンデンサに対する電磁振動の変化(2)運転コンデンサに対する正相分および逆相分磁界の計算。これらの実験データを基に理論的考察も併せて行なった結果を電気学会論文誌,同回転機研究会などにおいて発表した。それら学会発表における主要な結論は以下のようである。 (1)CRMの電磁振動を考察する場合,高調波電圧による逆相分磁界の影響も考慮する必要がある。 (2)基本波電圧に2種類の高調波電圧(例えば,3次と5次調波)を重ね合せてCRMに印加した場合に生じる顕著な電磁振動は,その発生原因により,高調波電圧の大きさ,相次数などにより明確に特徴づけることが明らかにした。 (3)運転コンデンサ容量,CRMの等価回路電流,電磁振動の関係を明らかにした。15EA05:なお,本研究費補助金により購入した物品が,本研究の遂行上,大変有益であったことは言うまでもない。
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