研究課題/領域番号 |
07750371
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
川越 毅 日本大学, 理工学部, 助手 (00195067)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | STM / スピン偏極 / 超高真空 / Fe探針 / Gd_2Co_7 / 清浄表面 / Fe超薄膜 / エピタキシャル成長 |
研究概要 |
スピン偏極STM用 Fe探針の超高真空中での作製とGd_2Co_7清浄表面のSTM観察 本研究はSTM室、試料導入室の2チャンバーで構成される超高真空STM装置で行った。本助成金で購入した150l/sのターボ分子ポンプは試料導入室の排気に用いた。到達真空度はSTM室では2×10^<-8>Pa以下,試料導入室では1.5×10^<-7>Pa以下である。 Feは大気中では酸化されやすいため、Fe探針の作製は、電解研磨により1μm程度にしたのち、1.5×10^<-7>Pa以下の超高真空中で、トランスファーロッドを用い引きちぎって作製した。作製したFe探針を用いてグラファイトの原子像を確認した。原子レベルの分解能が得られるのは切断部先端にmini-tipが形成されるためと考えている。現在のところ、この作製法で再現性はよく超高真空中での強磁性探針の作製法が確立した。 Ce_2Ni_7型の結晶構造を有するGd_2Co_7は、GdとCoの磁気モーメントが反平行で467Kに補償点をもつフェリ磁性体である。その単結晶はC面が容易に劈開し、磁化容易軸はc軸でKu=1.3×10^7erg/ccと大きな磁気異方性を示す。GdとCoの電子状態の差によりW探針でも原子像が、Fe探針との比較により原子レベルでスピン偏極電流が検出できると期待される・そこで我々はGd_2Co_7(001)清浄表面を1.5×10^<-7>Pa以下の超高真空中で劈開して作製し、観察を行った。現在非磁性W及びFe探針を用いて観察を行った結果、原子レベルの明瞭なステップ構造は確認できたが、原子像及び両者の顕著な違いを見いだすには至っていない。今後、劈開法を工夫し、原子像の確認・バイパス依存性について測定を行う。その他にSTM・RHEED観察が可能な超薄膜作製用の超高真空蒸着装置の作製を行い、2×10^<-8>Pa以下の到達真空度、RHEEDによるSi(111)の7×7清浄表面・MgO(001)上のFe(001)超薄膜のエピタキシャル成長などを確認した。
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