研究概要 |
1)MMIカプラ解析用ソフトウェアツールMosimulの開発 多モード干渉(MMI)カプラの動作特性解析と設計を行うためのシミュレーションソフトウェアを,固有多モード展開法に基づいて開発し,これをMosimulと命名した.これを利用して,種々のMMIカプラ構成の光伝搬特性を解析した. 2)MMI導波路への広角結合の解析 次にMosimulを利用して,入射導波路をMMIカプラ広角で結合した場合の特性を研究し,光集積回路上のコンパクトなベンディングデバイスとして利用可能であることを示した. 3)能動素子/受動素子集積のためのテ-パ-導波路解析 本研究では,有機金属気相エピタキシ-(OMVPE)による面積選択成長で,能動/受動集積を行うこととした.その際,能動素子と受動素子は,選択成長により自動的に形成されるテ-パ導波路で結合されることになる.このテ-パ導波路と量子井戸吸収損失と放射損失を,Mosimulを利用して解析した.その結果,吸収損失と放射損失はトレードオフ関係にあり,テ-パ-長には最適値のあることが明らかになった. 4)OMVPE面積選択成長実験 能動素子,受動素子一括形成のためのOMVPE選択成長の条件を研究した.選択成長酸化膜マスク幅を変えながら幅5μmのInGaAsバルクエピタキシャル層を成長し,その組成変化を顕微フォトルミネッセンスで調べた 5)MMIカプラ半導体光スイッチングデバイスの波長多重光交換への適用可能性 本研究の光スイッチングデバイスが光交換に適用された場合に,どの程度のメリットが生じ得るかを検討した.本研究のデバイスで交換ユニットを構成すれば,従来に比べ30dB以上の損失の改善が図られることがわかった.温度制御もユニット全体で一つであれば十分であり,素子間のアライメントも不要になる.このように,光交換にもたらす経済効果は多大であることが示された.
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