研究課題/領域番号 |
07750383
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子デバイス・機器工学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
須原 理彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (80251635)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 有機金属気相成長 / 単原子層ステップ / ステップフローモード / 共鳴トンネルダイオード |
研究概要 |
本研究では、InP/GaInAs共鳴トンネルダイオードを有機金属気相成長法により作製し、結晶成長条件とヘテロ界面の原子オーダとの関係を明らかにした。 結晶表面の原子オーダでの平坦化は、成長条件を基板傾斜方向と角度で定まるテラス及び単原子層ステップを形成する成長モード(ステップフローモード)に制御することにより実現される。そこで、成長した結晶表面形状を原子間力顕微鏡で観測し、その結果を成長条件にフィードバックし以下の知見を得た。 (1)ラフな元基板表面の7分間の熱処理では、平坦領域は生じるがステップの形成には到らない。 (2)(1)のようなラフ(凹凸が1原子層以上)なInP基板表面には、10nm程度の初期成長と30秒の成長中断を施すことにより、テラス幅250nmの単原子層ステップが初めて実現した。 (3)ステップフロモードは(2)の表面形成後に得られ、InP表面では成長温度600℃、成長速度0.43ML/s以下で、GaInAs表面では650℃、0.35ML/s以下で原子オーダでの平坦化が実現した。 (4)結晶成長機構を理論解析し、今回の実験結果より、InP/GaInAsのステップフロー、2次元核成長の遷移領域を温度、成長速度等のパラメータ空間で同定した。 更に、以上の知見を共鳴トンネルダイオードのヘテロ界面制御に応用した。 共鳴トンネルダイオードを2次元核成長、単原子層ステップ成長のそれぞれで成長し、4Kにおける電流電圧特性の2階微分を実測し、共鳴準位幅を評価した。 共鳴準位幅は2次元核成長が44meVステップフロー成長が18meVとなり、ヘテロ界面の平坦化成長により、共鳴特性が改善された。 以上のことから、有機金属気相成長法によりGaInAs/InPヘテロ界面の平坦化を実現し、平坦化が電子の共鳴特性改善に反映することを明らかにした。
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