研究概要 |
本研究では,代数幾何符号が優れた性能を発揮する条件に関する定量的考察を行い以下の成果を得た. 1.一定の代数曲線上,具体的には楕円曲線,超楕円曲線,フェルマ-曲線上の代数幾何符号を構成し,その符号化率と符号のパラメタとの関係を明らかにした. 2.従来,主として用いられてきたBCH符号・拡大BCH符号の符号パラメタを詳細に考察し,1.で求められた符号のパラメタとの比較を行った.その結果,従来の符号が代数幾何符号がより優れた符号となるためのいくつかの条件を明らかにした. 3.1.で考察した代数幾何符号よりも広範囲の代数幾何符号,具体的には曲線属C_<ab>上の代数幾何符号の符号パラメタについて考察した.特に,符号の検査点数が小さい時のFeng-Rao設計距離を,従来よりも具体的に与えた. 4.曲線属C_<ab>上の代数幾何符号と拡大BCH符号とのパタメタの関係を明らかにした.その結果,拡大BCH符号の性能が代数幾何符号のそれを下回らない条件を,曲線C_<ab>を定めるパラメタを用いて与えた.
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