研究概要 |
2次の零スペクトル制約を満たす記号列を生成するラベル付き有向グラフの既約部分グラフを特定し,その容量の数値計算を行った.以下にその結果の概要を述べる. nとkを互いに素な正整数とし,f=k/nとおく.まず,2以上のnに対して2次の零スペクトル制約の標準グラフも,1次の例スペクトル制約標準グラフと同様に,いくつかの既約部分グラフに分離していることを示した.次に既約部分グラフを分類するための基本的性質として,(1)既約部分グラフの中の状態が必ず含んでいる状態の集合,2つの状態が同じ既約部分グラフの状態であるための必要十分条件を導き出した.この結果を用いて,次の結果を得た. n=2の場合には,周波数fにおける2次の零スペクトル制約の標準グラフは2つの既約部分グラフを含んでいることを示した.さらに,その既約部分グラフの容量を,そのグラフに含まれる有限有向グラフのサイズをパラメータとして数値計算によって求めた.n【greater than or equal】3であれば周波数fにおける零スペクトル制約のための標準グラフの既約部分グラフの数は,高々6^ρ^<(n)>でることを示した.ここでρ(6)はnのオイラー数である.n=3の場合の規約部分グラフの容量については,上記の結果を利用して既約部分グラフを特定しようとしている段階である
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