光通信において信号の測定・決定過程を量子力学的に記述し、最適化する量子信号検出理論において最適な信号検出過程を表す「最適決定作用素」を、研究代表者が明らかにした信号系(2値信号系、3値位相変調信号、3値コヒーレント信号)に加え、4相位相変調信号に対しても具体的な解析解を与えた。 そして、2値位相変調信号の最適決定作用素に対する平均光子数、光子統計、位相平面における確率密度関数、スクィズィング、そしてnonclassical depth等について調査することにより、最適決定作用素が様々な非古典的性質を持っていることが明らかになった。すなわち、これらの非古典的性質が最適信号検出過程において本質的であり、その物理的意味として「量子干渉現象」がそこに起きていることを指摘した。 今後は混合状態信号に対する最適決定作用素の導出と、信号検出誤り率を減少させるための量子干渉をどの様にして発生させるかが問題となる。
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