研究課題/領域番号 |
07750445
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
情報通信工学
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
吉野 隆幸 東京電機大学, 工学部, 講師 (30240336)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 光ソリトン通信 / 符号誤り率 / 光電子統計 / 光増幅器 / 光電検出 / 受信器感度 |
研究概要 |
本研究は、光ソリトン通信システムの伝送特性を正確に理論解析し、それを評価することを目的としている。本年度において得られた新しい結果は以下のとおりである。 1.光増幅器からの自然放出光を伴ったソリトンパルスが光電検出された場合について、光電子数の確立密度関数を正確に求めた。その結果は、従来から用いられている近似式(ガウスおよびラゲ-ル密度)と比較され、その近似式に含まれる誤差量が明確になった。 2.上記1.で得られた正確な密度関数をもとに、ソリトン通信の伝送特性(符号誤り率と受信器感度)を算定し、評価を行った。本研究では、無中継および多中継の両システムを扱い、更に無損失線路を用いた場合(多中継システムの極限の場合に相当する)についても言及した。光フィルタにはローレンツ形透過特性を仮定し、実際的な結果を得ている。光ソリトン通信は本質的に光On-Off Keying(OOK)通信であるから、得られた特性の幾つかは既知のOOKに関するものと定性的に類似するが、この場合でも算定値はパルス形状が考慮された厳密なものである。また、パルス形状および光フィルタの帯域幅などの依存性が新しく明らかになった。これらは本解析が一般論に基づいた正確なものであることから得られたものであり、光フィルタの帯域幅が狭い場合にはパルス幅依存性が大きくなることなど、既知の理論では得ることのできない特性が明らかになった。また、多中継システムでは、全伝送距離と中継器間隔の関係、さらには伝送限界が正確に示された。このことは学術的のみならずシステム設計の両側面において重要な意義を持つものと考えられる。 3.上記2.により求められた伝送特性は、一般に広く使用されている近似式による結果と比較され、近似解による伝送特性評価は著しい誤差を呈することが指摘されるとともに、本研究による厳密な扱いの有意性が示された。
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