研究課題/領域番号 |
07750464
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
システム工学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80198655)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ニューラルネットワーク / カオス / 連想メモリ |
研究概要 |
カオスは、決定論的な時間発展する非線形なシステムに生じる予測不可能な現象であり、電気回路のみならず心拍や脳波など、生体においても多くその存在が知られている。特に生体の脳においては、カオスは記憶や学習に重要な役割を果たしていると考えられている。 本研究では、以上のような生理学的および数理学知見に基づいたカオスを、知的情報処理へ適用するための研究を行った。具体的には、脳の情報処理様式を模擬するニューラルネットワークに基づいた連想記憶モデルに適用し、新しいカオス双方向連想メモリを提案した。従来より、1対多の連想が可能な連想記憶モデルでは、想起時に生じる干渉を取り除くために人為的な制御や特別なネットワークを必要としていた。提案モデルでは、従来の双方向連想メモリの一部にカオスニューロンを用いてこの問題を解決している。 計算機シミュレーションにより得られた結果をまとめる。 (1)学習パターンに文脈情報を付加することにより、1対多の連想が可能なことが確認された。 (2)カオスニューロンの内部状態がカオス的に変化し続けることによって、ネットワークが動的な想起を実現している。これは、想起時のエネルギー関数やニューロンの内部状態の変化の調査により確かめられた。 (3)雑音を用いた想起に比べ、提案モデルの方が短時間で正しい想起が行えることが確認された。
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