研究概要 |
1.時系列解析用に汎用的なウェーブレット解析ツールの作成をある程度行った。作成ツールは,正規直交タイプのウェーブレット(周波数2倍刻みともっと細かい周波数刻みを持つもの)を用いた時系列データの展開ツールならびに,非直交ウェーブレットでウェーブレット係数を計算するためのツールともに完成している。正規直交タイプのウェーブレットは特に情報圧縮と特徴抽出に有効であり,非直交タイプのウェーブレットは雑音除去などに強い。ただし,素直に数値積分をしている部分が多いため計算量を減らすための改善が必要である。 2.非直交の周波数2倍刻みのウェーブレットを用いた2次元画像データの圧縮・高周波雑音の除去を行うプログラムを作成した。この方法に対しては従来からあるJPEGなどの画像圧縮方法との比較が必要であるので,成果の公表はまだできていない。 3.1.で作成したツールを用いて時系列データとして,日本語音声を用いた実験を少し行った。音声データをマイクから取り込んで,時間-周波数のグラフを描く部分のプログラムは完成しているが,計算機の能力が足りないためリアルタイム処理は無理である。現在は数秒の音声に対して分単位の処理時間が必要なので,高速な計算機が使える96年度以降に詳しい分析を行うつもりである。 4.ウェーブレットの入門書を龍谷大学の山口昌哉先生と共同で執筆中である。96年3月中に原稿が完成する予定である。
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