研究概要 |
レーザー長光路吸収法,レーザーヘテロダイン分光法,FTIR等は,水蒸気,二酸化炭素,メタン,オゾン等の大気中分子のスペクトルを測定し,これらの分子の大気中の濃度を遠隔計測することが可能である。この中でも,レーザー長光路吸収法は,光源としてレーザーを用いることにより,高スペクトル分解能,高精度の測定が可能である。しかし新しい測定システムの開発には多大の費用を要するため,実験装置の開発に先立ち,コンピューターシミュレーションを十分に行い,測定手法の最適化を行うことが重要である。 本研究は,大気微量分子の光学的遠隔計測手法開発のための,測定のシミュレーションによる評価手法の確立を目的として,以下の手順で研究を行った。 大気微量分子の光学的遠隔計測手法の調査を行った。吸収スペクトルから大気微量分子の高度分布またはカラム濃度測定する方法の調査を行った。 測定システムのパラメーター(測定波長範囲,スペクトル分解能,雑音等)を入力すると,大気の吸収スペクトルの測定データを作成するプログラムを開発した。また,作成したデータを解析し濃度を導出するプログラムを開発した。開発したプログラムを用いて,地上衛生間レーザー長光路吸収測定を例に取り,大気微量分子測定システムを新たに開発する場合の最適化に関する評価を行った。 本研究により,測定システムのパラメーターの自由度を与えると,対象分子の測定精度を最大にする測定システムの仕様を決定する手順を確立した。
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