研究課題/領域番号 |
07750537
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | せん断破壊 / 付着割裂ひび割れ / ダウエルひび割れ / 斜めひび割れ / 有限要素解析 |
研究概要 |
本研究は、せん断補強されていないRCはり部材におけるせん断破壊の耐荷機構を検討するために行われたものである。はり部材が曲げモーメントとせん断力の作用によって斜めひび割れが生じたとき、せん断補強されていない場合にはその斜めひび割れ面に沿って脆性的な破壊が起こる。特にせん断スパン比の大きなはりでは、終局時に軸方向の引張鉄筋に沿って割裂ひび割れが急速に発達するが、このひび割れの発生が部材全体の脆性的な破壊の大きな一因となっていることが考えられる。割裂ひび割れの発生原因は、古くから知られているように引張を受ける軸方向鉄筋が節によって伝達される放射状の応力によって周囲のコンクリートを押し開くこと、また、斜めひび割れ面で軸方向鉄筋が相対変位を生じてダウエル力が作用することである。本研究は、割裂ひび割れの発生メカニズムを調べるため、上記の軸方向鉄筋に作用する引張力とダウエル力の比を変数として実験を行った。本来、この問題を検討するにあたっては、鉄筋径、コンクリート強度、鉄筋のかぶり厚さおよび間隔、鉄筋の付着長さ等も同時に検討を行わなければならないが、組合せが多岐に渡るため現時点では検討から除外した。実験は5体の供試体を用いて行い、主に鉄筋の軸方向のひずみ分布と曲率分布を測定し、補足的に割裂ひび割れの開口変位を測定した。この実験結果を基に、鉄筋のすべり量および鉛直方向変位、鉄筋の付着力およびコンクリートの鉛直方向の支圧力に関連づけて、定性的なモデルを作成した。このモデルは、対象とした条件下(鉄筋径、かぶり厚さ、コンクリート断面を一定)におけるもので、汎用的なモデルの構築にあたっては既往の実験データの収集と今後の実験データの蓄積が必要である。また、モデルの適用にあたっては、FEM解析等においてコンクリート要素と軸方向鉄筋をリンクさせるために用いることを前提としている。
|