本研究は、富栄養湖の底泥からの栄養塩溶出に関係している溶存酸素に関して、時間的な変動特性を解析することを目的としたものであり、鳥取市にある湖山池(湖面積6.9km^2、平均水深約3m)での現地観測とその数値シミュレーションを実施した。 観測結果より、夏期では昼間の上層で溶存酸素の上昇、夜の下層で溶存酸素の低下という時間的変動をしていることが明らかになった。また、浅水湖ということで、風速3m/s以上になると急激に対流が生じ、上層と下層の濃度が一様化するという現象が認められた。 数値解析に関しては、従来提案されている日変動の解析方法を時間変化が解析できるように改良した。観測結果と計算結果を比較すると従来提案されている諸係数を用いてある程度再現が可能であることがわかった。また、底泥からの栄養塩の溶出に関係する嫌気状態の発生に関しては、湖山池の場合1日程度無風状態が続くと下層でDOが0になる状態が発生する可能性があることがわかった。
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