研究課題/領域番号 |
07750633
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
土木環境システム
|
研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
吉田 英樹 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70210713)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 都市廃棄物 / 浸出水 / 寒冷気候 / 融雪 / シミュレーション |
研究概要 |
寒冷地気候と都市廃棄物埋立地浸出水に関し、今年度は新規に購入したパーソナルコンピュータにより、 1.水質への寒冷気候の影響について、侵出水温度シミュレーション、2.春期における融雪水の発生モデルによる浸出水量増加のシミュレーションの2つを中心に処理データの収集及び数値解析による考察を行った。 (1)浸出水水質(貯留施設での測定)〜水質は融雪期及び夏期の浸出水量の増大する時期にBOD、CODなどがやや増加する傾向はあったが、オーダー的には比較的安定していた。特に気温の低下する冬期間に水質が変動するような傾向は見られなかった。浸出水温に関しては、埋立地内部温度の上昇が観測されている埋立地で、年平均気温を5〜9℃上回っており、寒冷地にも関わらず浸出水温度が高く維持されうることがわかった。2次元の熱移動方程式を用いた温度に関する数値シミュレーションを行った結果、埋立地からの流出時には浸出水温はほぼ年平均気温に等しくなり、浸出水の温度上昇は埋立地内部の微生物反応にるものと推定された。 (2)浸出水水量〜気象データから求めた融雪モデルにより、融雪水の埋立地への浸入量・浸入時期を推定したところ、浸出水量は融雪の影響を大きく受けて増加し、同時に貯留施設の貯留量も増加していた。融雪モデルにより、気象庁の積雪データを用い、雪の比重をほぼ0.4として融雪水量が推定可能であることがわかった。また、各処理場での計画処理水量及び浸出水量を用いて、必要な貯留施設の規模を推定したところ、安定した処理量で運転を行うには現有している貯留施設はいずれも容量を拡張する必要があることがわかった。実際には処理場では毎日の浸出水処理量を大きく変化させて、融雪期や夏期の浸出水量の増大に対処している。これは微生物反応を用いた処理プロセスにおいては安定した処理の阻害要因になりうるので、今後の処分場の設計においては、容量が十分な貯留施設を持ったものにして、安定的な処理量にする必要がある。 今後は引き続き、浸出水データのデータベースへの蓄積を行うとともに、埋立開始直後の埋立地において、埋立廃棄物の質・量を随時モニタリングし、埋立地内部の状況も考慮したモデルにより、浸出水発生の時点からのダイナミックな水量・水質シミュレーションを行う予定である。
|