研究概要 |
対向ターゲット型直流スパッタリング装置によって,チタン薄膜を作製し,その微細構造の特長を,X線解析法及び電界放射型走査型電子顕微鏡によって解析した.スパッタリング装置は大阪真空製の既成品を元に本研究に対応するように以下の点の改造を行った. 1.基板ホルダーの改造・・・耐熱ガラスを挿着できるよう,形状を加工した.また,所定の作製温度にするために加熱機構を作製した. 2.真空排気系の改造・・・排気系からの油分の汚れを避けるために,吸着剤を使った,フィルター機構を取り付けた. 上記の作製装置を使用し,作製条件をアルゴンガス圧を0.06〜0.75Pa,作製温度を298,573,673K,膜厚を0.5〜3.5μmの範囲で変化させ,薄膜を作製した.薄膜の微細構造の観察を行った結果,薄膜の構造はThrontonの構造モデルと良く一致した.また,作製した薄膜はある結晶方位の配向性を示すことがわかった.この配向性は作製温度とアルゴンガス圧に依存し,298K,0.45Pa,および,673Kの時が,最も強い配向性を示すことがわかった.また格子定数がガス圧に依存することもわかった.
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