研究課題/領域番号 |
07750726
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属物性
|
研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 非線形 / 分岐 / 弾性拘束 / 相分解 / 相変態 / スピノ-ダル分解 / 時効析出 |
研究概要 |
Khachaturyanの拡散方程式に基づき、Al-Zn、Cu-CoおよびFe-Mo合金の相分解挙動の等温時効における相分解シミュレーションを行った。その結果、Al-Zn合金では、等方的なまだら構造が形成され、また分解初期過程から後期過程にかけて、中央組成から外れた場合のスピノ-ダル分解挙動を非常に精密に表現することができた。Cu-Co合金においては、合金組成を変化させて一連の相分解シミュレーションを行い、析出粒子の形状変化や、弾性相互作用の組織形成に及ぼす効果等が明らかになった。Fe-Mo合金の計算では、本合金系は弾性拘束が非常に大きいので、スピノ-ダル分解初期から周期的な変調構造が形成され棒状のゾーンが成長した。以上の計算結果に対して、その計算条件と、全く同条件にて実験した実際の組織とを比較した結果、両者は、組織の形態等、定量的によく一致した。また、Khachaturyanの拡散方程式に基づき、規則-不規則変態のシミュレーションを行い、合金組成および温度により規則度の時間発展過程を算出した結果、相転移点近傍における組織形成において、逆位相境界の幅が変化し、転移点に近づくほどその幅が増加することが示された。本シミュレーシュンの問題点として、弾性拘束関連項内の弾性率の組成依存性の効果を、Khachaturyanの拡散方程式に基づく計算方法では、正確に取扱うことが困難であることが、今年度の研究中に明らかになったが、この点までも計算に取り入れる事の出来る新シミュレーション法をさらに開発することができた。現在これを「離散型拡散方程式」に基づく計算方法と呼んでいる。これによって、現在、世界的に合金の組織形成を、最も正確に解析できる計算方法が確立したことになる。
|