研究概要 |
噴霧特性が異なる5種類のフルコース型スプレーノズルを用いて,摂氏900度まで加熱したステンレス鋼板の冷却実験を行った.各ノズルごとに噴霧流量を変化させた数パターンの実験条件を設定し,冷却過程の鋼板裏面の温度履歴の測定を行った.そして,その実験で得られた温度履歴に対応する非濡れ領域における熱伝導率を数値解析によって算定した. まず,本研究で得られた熱伝導率を従来から提案されている経験式で整理することが可能であるがどうかを調査した.これらの経験式は全て単位面積,単位時間当たりの水の流量の関数として与えられている.すなわち, ααQ^n (α;熱伝導率,Q;単位面積単位時間当たりの流量) で与えられている.ここで,nは1以下の定数である.しかし,この整理式と本実験結果に良好な対応関係は見られなかった.これは,Qが液滴速度V,液滴径D_Pおよび単位体積当たりの個数Nの3つの独立変数から構成される従属変数であるためではないかと考え,これらの独立変数で熱伝達率を整理することを試みた.その結果, ααQ^<1.2>_PV^<0.5>N^<0.8> なる対応関係を見いだした.
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