本研究は、申請者がこれまでに行った2成分混合ガスの有核凝縮に関する研究結果をもとに、3成分混合ガスのエアロゾル粒子への凝縮について理論および実験の両面から検討を行うために、本年度は、以下の点について検討を行った。 まず、すでに開発されている2成分混合ガスの単一微小液滴への凝縮に関する数値解析プログラムを改良し計算精度を向上させるため、計算条件(メッシュの数、無限円の距離、収束判定条件等)の再検討を行い、最適な計算条件を決定した。さらに、蒸気の凝縮および蒸発がない場合について、上述のプログラムを用い微小液滴の流れ場および温度場を有限差分法を用いて数値計算し、以前より計算精度の高い条件で、抵抗係数および無次元拡散流束を求め既往の実験および数値解と比較検討した。さらに、得られた計算結果を用いて固体球の抵抗係数と無次元拡散流束の相関式を提案した。 次に、3成分混合ガスの微小液滴への凝縮の計算を行うために、拡散方程式をもう1つ増やし、まず、蒸気の凝縮がない場合について、それぞれの拡散方程式を解いて得られる無次元拡散流束が一致することを確認することにより、プログラムのチェックを行っている。 実験に関しては、今回申請したパーティクルカウンターを購入し、粒子のサンプリングおよび計測方法について検討中である。
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