研究概要 |
単位分子グループモデルによる気体-混合溶媒系溶解平衡の新しい相関方法の開発の研究は(1)各種アルコール水溶液に対する気体(Ar,N_2,O_2,CO_2,He,H_2)の溶解度の測定(2)単位分子グループモデルによる気体溶解度と溶媒組成の相関式の開発の2つの具体的な研究目的の達成のために行った。研究実績の概要について以下にまとめた。 (1)各種アルコール水溶液に対する気体(Ar,N_2,O_2,CO_2,He,H_2)の溶解度の測定 実験装置として静止方に基ずく気体溶解度測定装置の試作を行った。気体の溶解のために平衡セル(パイレックス製)およびガスポンプ(気体溶解量測定器±5/10000cm^3:大気圧)の設計 を試作して実験を行った。溶質気体としてAr,N_2,O_2,CO_2,He,H_2を用いた。混合溶媒として1価及び2価アルコール水溶液を使用した。結果の一部はCan. J. Chem. Eng.に掲載された。 (2)単位分子グループモデルによる気体溶解度と溶媒組成の相関式の開発 新しい溶解平衡モデルについて検討を行った。 ある濃度の溶液(混合溶媒)はいくつかの分子グループの集合体と考え、溶液に対して仮定される分子グループの最小のものを単位分子グループ(4分子、5分子・・・etc)とする。気体はそれぞれの分子グループに保持され溶解すると仮定する。各分子グループはそのグループを構成する分子の種類によりその性質はことなる。しかし、分子グループの存在パターンの数およびそのパターンの分子グループの存在確率は溶液濃度が既知であれば計算可能である。これを基礎の気体の溶解度の相関式を理論的に導出した。これまで蓄積された気体の溶解度76系に適用した結果、良好な結果を得た。
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