研究課題/領域番号 |
07750846
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応・分離工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
向井 紳 京都大学, 工学研究科, 助手 (70243045)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リチウムイオン電池 / 炭素繊維 / 炭素電極 / 熱CVD / 高温処理 |
研究概要 |
次世代の二次電池としてリチウムイオン電池が注目されているが、その普及には高いリチウムイオン容量、高い導電性そして高い機械的強度を併せもつ炭素材料の開発が必要不可欠である。いずれの点においても気相成長炭素繊維(以下VGCFと略す)は他の黒鉛系の炭素材料と比較して非常に優れている。従来の製造法では生産性が低かったが、研究代表者が開発した新規な製造法により、従来法と比較して数十〜数百倍の成長速度で繊維を製造することが可能となった。そこで、この方法で製造したVGCFのリチウムイオン電池の負極への適用を試みたのでその結果を報告する。(1)As-grown繊維:1100℃で製造したVGCFで電極を作製し、リチウム金属を対極、参照極として、三電極法によりリチウムイオン容量を測定したところ、200mAh/gの容量を有することがわかった。これは比較的低温で作製したVGCFでも黒鉛構造が発達していおり、易黒鉛化性の材料であることを示している。(2)処理繊維:VGCFを不活性雰囲気で2800℃の高温処理(サンプルA)、また二酸化炭素雰囲気で1000℃で処理(サンプルB)を行い、それぞれの繊維のリチウムイオン容量を測定した。サンプルAは350mAh/gと、理論容量である372mAh/gに近い容量を有していることがわかった。またサンプルBは低温での処理にもかかわらず340mAh/gの容量を有することがわかった。これは、グラファイトライクなドメインを数多くもつVGCFの構造を反映しており、ドメイン間のアモルファス炭素を除去することで単位質量あたりの容量が向上することを示す。さらに、二酸化炭素処理後、すぐに水素雰囲気にして繊維の構造中に水素を取り込ませることで、380mAh/gと理論容量を越える容量をもたせることが可能となった。
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