研究課題/領域番号 |
07750859
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
触媒・化学プロセス
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中村 育世 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30251367)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 固体酸触媒 / 水素供与物質 / スピルオーバー効果 / 炭素析出 / トルエンの不均化反応 / 物理混合法 |
研究概要 |
本研究においては、分子状水素あるいは水素供与性物質を水素源とする活性水素による酸触媒反応の制御機構の解明、および制御法の確立を目的として、金属-固体酸二元機能を必要とせず、ブレンステッド酸点のみを必要とするトルエンの不均化反応における水素および担持金属の役割を解明し、また、カルベニウムイオンをキャリアとする連鎖的な分解が進行すると考えられるアルカンの固体酸触媒における分解反応における気相水素および水素供与物質の添加効果の検討を行う。具体的には、水素化活性は低いものの水素のスピルオーバーに有効であることが知られているモリブデン、あるいはニッケルを硫化物を担持した触媒を固体酸に物理混合した触媒を調製し、トルエンの不均化反応を行った。水素を共存させることにより、反応物の分解により生成する炭素の析出が大きく抑制されることを見い出し、それにより不均化反応の活性劣化が大きく抑えられることを見い出した。また、気相重水素と触媒表面上の同位体交換反応を赤外吸収分光法を用いて観察することにより、気相の水素分子より供給される活性水素種が固体酸表面上に存在するプロトンとして機能していることを強く示唆する結果を得た。このように、水素のスピルオーバー効果が触媒反応においてどのように機能しているかを解明し、また、2つの異なる機能を持つ触媒の物理混合法により機能を制御する可能性を見い出した。
|