研究課題/領域番号 |
07750874
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物・生体工学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
後藤 猛 秋田大学, 鉱山学部, 講師 (10215494)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | グルタチオン / γ-グルタミルトランスペプチダーゼ / アミノペプチダーゼM |
研究概要 |
医薬品として需要が大きいグルタチオン(L-γ-グルタミル-L-シルテニルグリシン)は、主に酵母菌を用いた発酵法により生産されているが、その生産効率は低い。一方で、グルタチオン合成酵素を利用した酵素的合成法も報告されているが、高エネルギー化合物ATPを必須とするなど、実用的ではない。本研究は、本来グルタチオンの加水分解酵素である膜酵素、γ-グルタミルトランスペプチダーゼ(γ-GTP)とアミノペプチダーゼM(APM)の可逆性に着目し、両酵素を利用したグルタチオンの新規な酵素的合成方法の開発を目的としたものである。 まず始めに、両酵素の調製方法について検討した。腎臓絨毛膜はγ-GTPとAPMを共に有することから、酵素源として牛腎臓絨毛膜を使用した。遠心分離操作により調製した牛腎臓絨毛膜画分をコール酸で可溶化し、界面活性剤透析法により絨毛膜プロテオリポソームを再構成した。このプロテオリポソームを用いた酸素反応の見かけ上のMichaelis定数および最大反応速度を調べたところ、プロテオリポソーム再構成により両酵素の基質に対する親和性が増加して反応性が向上することが分かった。さらに、カラム充填型リアクターを用いてその安定性についても知見を得た。 上記により得られた複合酵素系を用いて、グルタミン酸、システイン、グリシンからのグルタチオン合成を試み、逆相カラムHPLC、陽イオン交換カラムHPLC、セルロースTLCにより分析してグルタチオンが酵素的に合成できることを確認した。また、グルタチオン生成条件に関する検討も行ったところ、グルタミン酸の代わりにグルタミンを用いることにより生成量が約4倍に増加すること、最適pHは7〜7.5であることが分かった。さらに、この2段階連続反応の簡単なモデル化を行い、計算によりグルタチオンの生成の様子を説明できることが分かった。
|