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積層テトラチアフルバレン型電子供与体の合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 07750956
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 合成化学
研究機関広島大学

研究代表者

瀧宮 和男  広島大学, 工学部, 助手 (40263735)

研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワードテトラチアフルバレノファン / 有機電導体 / 電子供与体 / ラジカルカチオン塩 / X線構造解析
研究概要

四ヵ所の結合可能部位を有する平面構造のテトラチアフルバレン(TTF)ユニットを積層的に二量化するうえで幾つかの様式が可能であるが、本年度に於いて、(1)二架橋シクロファン型、(2)四架橋平行型、及び(3)四架橋交差型積層TTF化合物の合成に成功した。これらの合成過程に於いて、テトラチアフルバレン誘導体の合成に広く用いられている中間体である亜鉛錯体を利用する合成法以外に、近年報告された、5-メトキシカルボニル-4-ルカプト-1,3-ジチオール-2-チオンが(1)の合成に対し特に有用である事が明らかとなった。
合成に成功した(1)-(3)のTTFユニット間相互作用をサイクリックボルタモメトリ(CV)、電子吸収スペクトル(UV)測定により検討したところ、(1)のCV測定においてTTF間に顕著な渡環相互作用が観測され、また、相互作用の大きさは架橋鎖長に依存することが明らかとなった。一方、(3)に於いては系統的に架橋鎖長を変化させることで、CV、UVに顕著な変化が観測され、架橋鎖の長さだけでなくコンフォメーションがTTFユニット間の相互作用に影響を及ぼすことが示唆された。また、(1)-(3)のX線構造解析を行い、架橋様式、架橋鎖長のTTF部の歪みの発生に対する影響を検討した。
(1)-(3)を用いた電荷移動塩の作成を電解結晶化法を中心に行い、(2)、(3)では半導体領域の伝導性塩が得られたのに対し、(1)のラジカルカチオン塩は高伝導性を示すことが明らかとなった。中でも、ヨウ素塩は積層TTF化合物に於ける最初の金属的挙動を示す塩であることが明らかとなった。また、(1)のラジカル塩の結晶構造解析から、結晶中で(1)はシート状の構造を作りやすい事が明らかとなった。これはドナー分子を二量化したことで、構成成分が直方体となり二次元的な構造を取り易くなったものと考えることができる。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] K. Takimiya: "Criscross-Overlapped Tetrathiafulvalenophanes" Tetrahedron Letters. 28. 5045-5048 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] K. Matsuo: "Double-Layered Tetrathiafulvalene as a Novel Electron Donor" Chemisrty Letters. 523-524 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] K. Takimiya: "Double-Bridged Tetrathiafulvalenophanes as Novel Electron Donors: Syntheses, Structures, and Properties of Three Structural Isomers" Chemisrty Letters. 735-736 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] T. Otsubo: "Dimeric Tetrathiafulvalenophanes: New Electron Donors" Advanced Materials. (in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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