研究課題/領域番号 |
07750977
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
梶原 篤 大阪大学, 理学部, 助手 (50224415)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ラジカル重合 / 成長速度定数 / 光開始重合 / 電子スピン共鳴 / ESR |
研究概要 |
ESRを用いてラジカル重合の基礎研究を行った。ジエン化合物やビニル化合物の成長ラジカルの構造を推定したり、付加様式について検討すると共に、成長速度定数(kp)の決定も行なった。その際、開始剤の選択によってESRスペクトルや重合挙動に差があることや、光重合と熱重合とでは重合挙動に大きな差がある場合があることを見い出した。モノマーとしてはスチレン、ジエン、MMA等を用いた。 種々の開始剤を用いてkpの見積りを行っている際に、1,3-ブタジエンやスチレンの光開始重合の成長ラジカルのスペクトルがtBPO開始の時とMAIB開始の時とで異なることがわかってきた。スペクトルの温度変化やTMDPOを用いた重合系のスペクトルなどからアゾ開始剤を用いた時には一次成長ラジカルが観測されているのではないかと考えた。鎖長とスペクトルとの関係やそこから見積った成長速度定数への影響、スペトルの時間変化等について調べた。 また、スチレンのラジカル重合を70℃で暗所と光照射下とで行なったところ、重合速度に大きな差が見られた。それぞれの系の成長速度定数(kp)は熱重合のみの場合約180M^<-1>s^<-1>であったのに対し、光照射下では、約420M^<-1>s^<-1>であった。370nm以下の光を遮断すると暗所での重合と同じkpを示すので、この差は、成長ラジカルが光を吸収してより活性なラジカルへと変化したことによるものであると考えられる。300nm以上に吸収をもたないジエン類については熱重合と光重合とでは大きな差は見られなかった。 本研究の成果のうち、ESRを用いた成長速度定数の見積りの結果はMacromolecules誌に投稿、受理され、印刷中である。重合に対する光の効果に関する報告は現在投稿準備中である。
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