研究課題/領域番号 |
07751011
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
航空宇宙工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏二郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (10226508)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ペネトレータ / 月・惑星探査 / 貫入ダイナミクス / 土質力学 / 数値シミュレーション |
研究概要 |
次世代の月・惑星探査ミッションにおいて、地表面に高速で衝突し貫入して行く槍型プローブであるペネトレータは、天体内部へと観測域を広げられる事と軟着陸型探査機に比べシステムが簡単になるため惑星の小型化・低コスト化が可能であると言った事から重要な位置を持つものと予想される。しかし、その貫入ダイナミクスを記述する数学的モデルは確立されておらず、機体開発に必要な貫入特性や荷重条件り推算は、実際にモデルを射出機によって打ち込むと言う実証的手法に頼っているのが現状である。本研究は地中を貫入して行くペネトレータが砂から受ける荷重と機体の運動を総合して解析する数値シミュレーションモデルの構築を目的としている。 ここでは月ペネトレータを対象として、平成9年打ち上げ予定の文部省宇宙科学研究所ルナ-A計画のペネトレータ機体開発チームと密接に情報交換を行いつつ研究が進められた。貫入後の機体の損傷から、砂の流れは進行方向に対向している表面部分にのみ力を作用するニュートン流理論が適用できると判断され、パネル法による砂からの荷重分布と機体の運動方程式を組み合わせた解析モデルが構築された。砂の動力学的特性は個々の状況に大きく依存するため不確定な要素が大きいが、ここでは実験データからモデルをチューニングする方法を確立し、より現実に即した実用性の高いモデルが開発された。本モデルによって種々の場合が解析され停止時位置・姿勢・荷重条件など実験データを説明するのに有効な解析ツールとなる事が示された。また、機体の運動と荷重を同時に解析する事により、1)迎角を持って機体が地表に衝突した場合、頭部のみならず尾部にも大きな剪断力が発生する事、2)機体の曲げ振動の発生によって曲げ荷重が増大する事などのメカニズムが明らかにされ、ペネトレータ貫入に関する諸現象の理解を進める事ができた。
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