研究概要 |
安全かつ経済的な航海のためには航路上の気象状況を把握することが不可欠であり,これには静止気象衛星GMSのVISSR画像が役立つ。本研究の目的は,画像データを効率よく圧縮することで陸上-船舶間の通信回線によるVISSR画像の伝送を可能にし,これを船舶の航行に利用することである. 画像データの可逆圧縮では,予測器の多段適用による圧縮効率の向上を検討した.複数の領域に分割した画像に線形予測器を適用し,さらにその予測誤差に二次元の非線形予測器を施して得た予測誤差をエントロピー符号化した.その結果,データ量は約32%に減少し,国際標準であるJPEG方式に比して20%の圧縮効率の向上が実現できた. 次に,船舶上でのVISSR画像の利用として,台風中心位置の自動推定を試みた.仮定した中心位置から等距離にある雲の稜線を用いて最も確からしい中心位置を推定し,これを次の仮定中心として同じ操作を繰り返すことで,真の中心を機械的に自動推定できることが明らかになった.
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