研究課題/領域番号 |
07760016
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
作物学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
小林 伸哉 神戸大学, 農学部・附属農場, 助手 (70252799)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 在来作物 / 雑穀 / 中国山地 / キビ / モロコシ / アワ / ハトムギ |
研究概要 |
これまであまり調査されていない中国山地の農村において、在来作物の栽培・利用の現状を把握するために、主に聞き取りおよび圃場観察による調査を行った。農村調査は1995年7月から12月の間の合計約30日間行い、東は岡山県美作地方から西は島根・山口県境辺りにかけての中国山地の山間村を広範に踏査した。 水稲およびムギ類以外の穀物のうち、ダイズ、アズキ、ソバの栽培は多くの農村で見られた。キビ・モロコシ・アワなどの雑穀類は、数十年前までは栽培していたが今はなくなったという集落が多く見られた。しかし、一部の畑作地帯を中心にキビ・モロコシの栽培が散見された。それらは、高齢者が小規模・自家用に栽培し従来どおりの方法でモチ・ダンゴあるいは帚として利用しているものが多く、伝統的な栽培・利用法に関する情報が得られた。ハトムギは、自家用のハトムギ茶として利用するために栽培されているのがいくらか見られた。アワの栽培は、あまり確認されなかったが、特産品を造るために試験的に栽培しているものや、儀礼用のものなどが見られた。ヒエやシコクビエについては、一部の地方誌史に栽培されていた旨の記述が見られるが、今回の調査では確認されなかった。 伝統的・自給的な雑穀栽培が後継者不足などにより衰退している一方で、健康食品あるいは地域振興のための特産品として注目され近年復活している例がいくらか見られた。広島県・岡山県の畑作地帯では、ここ10年ほどの間に特産品としてコンニャクの栽培が増加し過ぎ、最近では採算が会わなくなりつつあるらしい。このような経過を経て、その土地の自然あるいは社会的条件に適したもの・良質良食味のものなどが残り、本当の特産品あるいは「在来作物」が形成されるように思われた。
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