研究課題/領域番号 |
07760026
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
園芸・造園学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 和弘 東京大学, 農学部, 助教授 (60242161)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 環境構造 / 環境評価 / 環境モニタリング / 空間計画 / 種多様性 / 生物群集 / 多変量解析 / ビオトープ |
研究概要 |
生物群集調査により得られた生物相のデータを分析して、生物群集や生息地の現状を把握し、空間計画を策定する手法を以下のように開発した。まず、多変量解析、種多様性の指数、水質汚濁指数などの生物指数といった、生物相を分析する主要な方法を、東京都内河川の付着珪藻群集の調査結果を実際にそれぞれの手法で分析することにより相互に比較した。その結果、多変量解析が様々な種類の環境変化を明らかにできること、他の手法に比べて適用可能範囲が広いことを明らかにした。次に、利根川水系、小貝川河川空間の植生、および、多摩川水系・浅川の付着珪藻群集を材料とし、主要な多変量解析手法の比較を行った結果、序列化手法について、対象地域(水域)の生物群集のばらつきが小さければ主成分分析、大きければ除歪対応分析が利用しやすいことを明らかにし、使い分けの基準も提示した。近年もっともよく利用される直接傾度分析手法である正準対応分析についても同時に比較し、環境条件に関するデータが適切に利用されなければ、不適切な結果を示すことを明らかにした。分類手法についても、東京都文京区内の鳥類、埼玉県所沢市などのコナラ二次株の植生などを対象として事例研究を行い、その特徴を把握した。特に、二元指標類分析と正準判別分析の組み合わせが、幅広い状況の下で生物群集に影響する環境要因の把握や生物群集の変化のパターンの検出、環境変化に対応した生物群集変化の予測などに利用可能であることを示した。以上の成果をふまえ、多変量解析による計画対象地域の生物相の広域的な位置づけ、対象地域内部の環境構造の把握、ビオトープ地図の作成、環境モニタリング対象種の選択などを含んだ空間計画手法の構築を行い、生物相や生物の種多様性の保全・再生を図るための新たな空間計画手法として提案した。
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