研究課題/領域番号 |
07760044
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物保護
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
竹内 洋二 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10250416)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 品種特異的エリシター / レセプター / 非病原性遺伝子 / 抵抗性遺伝子 / 遺伝子体遺伝子説 |
研究概要 |
植物は受容体(レセプター)を介して病原体由来の抵抗反応誘導物質(エリシター)を認識することにより抵抗反応を誘導すると考えられている。Pseudomonas syringae pv.tomatoから単離された非病原性遺伝子avrDは、抵抗性遺伝子Rpg4を持つダイズ品種に対してのみ特異的に抵抗反応を誘導するエリシター・シリンゴライドの生成に関与している。本研究においては、品種・レースの特異性の分子機構を解明するため品種特異的エリシター・シリンゴライドに対するダイズのレセプターの精製およびその遺伝子のクローニングを目指した。 avrDを持つ大腸菌を【^<14>C】グルコースを含む液体培地で培養し、培養濾液から高速液体クロマトグラフィーなどにより【^<14>C】でラベルしたシリンゴライドを精製した。それを用いて抵抗性ダイズ品種植物より調製した細胞膜分画との結合実験を行った結果、シリンゴライドに対する特異的結合部位は認められなかった。そこで可溶性分画を用いて結合実験を行ったところ、シリンゴライドに特異的に結合する部位が存在することが明らかとなった。この結合はエリシター活性のないシリンゴライド類似体によっては阻害されなかったが、シリンゴライドおよびエリシター活性のある類似体によって阻害され、結合部位は抵抗反応に役割を担うレセプターであると考えられる。また可溶性分画を蛋白分解酵素で前処理することにより結合活性が消失し、シリンゴライドレセプターは蛋白質であることが示唆された。 このように本研究により品種特異的エリシター・シリンゴライドに対するレセプターの存在が、世界で初めて示唆された。目的としたレセプターの精製およびその遺伝子のクローニングには至らなかったが、それに向けての基盤が確立できた。
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