研究課題/領域番号 |
07760056
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 和彦 東北大学, 農学部, 助手 (10183302)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ピナツボ / 泥流 / 風化 / 火山灰 / 水稲 / カリウム / 酢酸 |
研究概要 |
ピナツボ火山灰を供試して湛水培養実験を行い、セルロース添加による酸の生成および交換性塩基の変化を測定した。酸物質については、セルロース添加により酢酸を主とする脂肪酸や炭酸が生成が明らかであった。これらの酸により鉱物の溶解が促進され、有機物添加は交換性カリウムを約20%、交換性マグネシウムを約100%増加させた。しかし、他の交換性カルシウムやナトリウムに対する影響は認められなかった。 ピナツボ火山灰に、セルロースおよびイナワラを添加して水稲の栽培試験をポットで行った。水稲の品種はササニシキを用いた。一度目の栽培は、有機物を添加しない対照区は正常に生育したが有機物添加区は還元障害により極度の生育不良が発生し、有機物添加直後は作物の生育には適さないことがわかった。二度目の栽培は一度目の跡地土壌で行い、どの区も還元障害がなく正常に生育したが、乾物重に有意差はなかった。水稲の無機成分については、カリウムについてはセルロースおよびイナワラ添加区で対照区より約50%吸収が増加した。しかし、他の成分については吸収の増加は認められなかった。 培養実験では交換性カリウムおよびマグネシウムの増加が著しかったが、水稲の吸収はカリウムでのみ増加した。これは、水稲のマグネシウム濃度が正常な生育に必要とされる0.2%を超えており必要以上の吸収を行わなかったのに対し、カリウムはぜいたく吸収がおきたものと考えられる。 以上のように、ピナツボ火山灰に有機物を施与することにより風化溶解を促進させ、植物必須栄養元素の一つであるカリウムの水稲による吸収を向上させることができた。
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