研究概要 |
アルミニウムイオンによる植物根の生長阻害の要因を探るため,まずアルミニウムストレス下での根の伸長阻害過程をin vivoで起こる変化をもとに解析した。従来、根の内部(細胞内)で起こる反応を検出するためには根を磨砕して内容成分を分析する手法が一般的である。 しかし、根の伸長は分裂細胞の細胞分裂による新しい細胞の供給や表皮細胞における吸水伸長など多くのプロセスの調和のもとに進んでおり、アルミニウムによって何故その伸長が阻害されるかを明らかにするためには個々の細胞の機能がどのように変化するかをとらえる必要がある。それには根を生きたままの状態で分析する手法が必要となったので本研究では伸長過程におけるviabilityの変化を螢光顕微鏡で追跡し、その形態及び活性から根の伸長に及ぼすアルミニウムの影響を調べた。その結果、FDA/PI法を用いると根を全く傷つけることなくその表面の細胞の挙動を時間を追って観察することが可能であり、さらに、アルミニウムストレス下での伸長細胞のviabikity低下はみられず表面の細胞は、伸長そのものの過程が阻害されたことが明らかとなった。
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