研究課題/領域番号 |
07760078
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
片岡 孝夫 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20242307)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | コンカナマイシンA / 細胞傷害性T細胞 / 液胞型H^+-ATPase / 酸性化 / 細胞傷害顆粒 / ブレフェルジンA / Fas / パ-フォリン |
研究概要 |
細胞傷害性T細胞(CTL)はパ-フォリン依存性およびFas依存性の細胞傷害性経路の2つの主要な経路により標的細胞を殺傷することが最近の研究から明らかとなっている。液胞型プロトンATPase阻害剤であるコンカナマイシンA(CMA)は、主として細胞傷害顆粒内のpHを増加させることによりパ-フォリンの分解を誘導しパ-フォリン依存性の細胞傷害経路をほぼ完全にブロックすることを明らかとしている。しかしながら、Fas依存性経路により標的細胞を殺傷するCD4^+CTLクローンやパ-フォリン欠損マウス由来のCD8^+CTLクローンを用いた場合、CMAはこれらの細胞内の酸性化を阻害し細胞傷害顆粒の形態変化を顕著に誘導したが、細胞傷害活性をほとんど阻害しなかった。アロ抗原特異的なCTLを種々の方法で誘導しCMAの効果を検討したところ、1prマウス由来の標的細胞やFas低発現あるいはネガティブの腫瘍細胞に対する細胞傷害活性はほぼ完全に阻害された。一方、ノーマルマウス由来の標的細胞やFasポジティブな腫瘍細胞に対する細胞傷害活性は高濃度のCMAを用いても有意な細胞傷害活性が残存した。gldマウス由来のアロ抗原特異的なCD8^+CTLの細胞傷害活性はCMAによりほぼ完全に阻害された。さらにCD8^+CTLクローンによるCMA非感受性の細胞傷害活性は可溶性のFas分子により完全に阻害された。以上より、CMA非感受性の細胞傷害経路はFas依存的であることが明らかとなった。ブレフェルジンAはFas依存性の細胞傷害性経路をブロックしたが、パ-フォリン依存性経路は部分的にしか阻害しなかった。さらに、CMAとブレフェルジンAを同時に添加したところ、アロ抗原特異的なCTLの細胞傷害活性は完全に阻害された。以上の結果より、CMAはCTLによる2つの主要な細胞傷害経路の関与を研究するのに非常に有用なプロープであることが明らかとなった。
|