研究課題/領域番号 |
07760142
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林学
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
白旗 学 岩手大学, 農学部, 助手 (00235756)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 鉱質土層表面二酸化炭素フラックス / 根の呼吸速度 / 根の分布 / スギ人工林 |
研究概要 |
本研究では、掘りとりなどをおこなわず土壌中にある自然状態の根の呼吸量を間接的に測定すること目的とし、鉱質土層表面から放出されるCO_2フラックスから根の呼吸の分離について検討した。まず、鉱質土層表面から放出されるCO_2フラックスの水平的なプロファイルを検討するため、スギ人工林において、2×5mのプロット内の30点において鉱質土層表面からのCO2フラックスを9月〜12月にかけて定期的に調べた。各測定点の鉱質土層表面からのCO_2フラックスの平均値は地温と高い相関を示し、温度係数Q10の値は2.23であった。各測定点間のバラツキは大きく、また、立木位置に近い測定点ほど、CO_2フラックス量が大きくなる傾向がみられた。次に調査地内の根の現存量の分布を掘りとり調査によって調べた。根の現存量も場所により異なっていた。根を直径1mm以下のスギ細根、1mm以上のスギの小中径根、スギ以外の根の3種類に分類し、それぞれの乾燥重量(w_1、w_2、w_3)を説明変数にとり、鉱質土層表面から放出されるCO_2フラックス(R)についてR=a_0+a_1w_1+a_2w_2+a_3w_3という重回帰モデル式を設定した。各測定日について分析した結果、全測定日14日のうち、9日の測定日において危険率5%で有意な結果となった。このモデル式の係数をもちいて鉱質土層表面からのCO_2フラックスのうち根の呼吸によるものは61%と推定された。この値は、従来のコンパートメントモデルをもちいた研究例によって得られた値に近かった。本研究によって、本方法による根の呼吸速度の推定の可能性が示唆されたが、土壌構造、水分環境が及ぼす影響、根そのものの呼吸活性の季節変化など更に今後の検討が必要である。
|