研究課題/領域番号 |
07760156
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
船田 良 北海道大学, 農学部, 助教授 (20192734)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | セルロース・ミクロフィブリル / 表層微小管 / 共焦点レーザ顕微鏡 / 細胞壁 / 仮道管 |
研究概要 |
植物細胞壁に堆積するセルロースミクロフィブリル(MF)の配向は、細胞の伸長や拡大の方向を決定するため、植物の形態形成に重要な因子である。MFの配向制御に関しては、細胞骨格である表層微小管の配向とMFの配向が一致することが多くの植物で報告されており、表層微小管がMFの堆積方向を制御するという仮説が提唱されている。しかしながら、仮道管や木繊維細胞壁の様に、MFがらせん状に配向する構造をもつ細胞壁において、表層微小管もMF同様にらせん構造を保ちながら動的に変化し、両者の配向が常に一致するかどうかについては疑問が呈されている。そこで本研究では、分化中仮道管の表層微小管を免疫蛍光抗体により染色し、共焦点レーザ顕微鏡を用いて表層微小管の配向変化を観察した。本研究の結果、表層微小管は分化に伴い連続的に配向変化することが明らかにされた。一次壁形成段階においては、表層微小管はランダムに配列した。主配向は一次壁形成初期段階では細胞軸に対して平行であり、細胞の拡大が進むにつれて細胞軸に対して垂直方向に変化した。その後、二次壁形成段階では整然と配列した表層微小管が観察され、配向は緩傾斜なSらせんから急傾斜のZらせんに変化し、さらに分化が進むにつれてSらせんへと変化した。これらの配向変化は、電子顕微鏡で観察した堆積中MFの配向と一致した。また、表層微小管の立体的配置を三次元画像の構築により検討し、表層微小管が細胞内でらせん構造を有することが明らかとなった。これらの結果は、MFの配向がらせん構造をもつ細胞壁においても表層微小管がMFの配向を制御していることを示唆している。また、表層微小管は分化中仮道管において常に観察されたことから、完全な脱重合を伴わずに配向を変化することが示唆された。
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