研究概要 |
本研究では,木材に多軸の負荷を与えることによって複合応力状態を与え,さらにひずみ速度を変化させて,その変形過程および破壊発生時の応力-ひずみ状態ついて解析することを目的とした。以下に示す実験を行った。 (1)短柱型試験体の2軸圧縮試験 (2)矩形棒の圧縮-ねじり試験 以下の結果が得られた。 (1)短柱型試験体の2軸圧縮試験から,2軸応力(圧縮応力-圧縮応力)平面における木材の降伏曲面は,ひずみ速度の影響を著しく受けた。これは速度の増加によって見かけの剛性が大きくなり,見かけの降伏応力が上昇するため,準静的に加力した場合にくらべて降伏曲面が大きくなったものと考えられた。 (2) (1)の場合と同様,2軸応力(圧縮応力-せん断応力)平面における木材の降伏曲面は,ひずみ速度の影響を著しく受けた。 これらひずみ速度の影響を考慮した木材の応力-ひずみ関係の定式化について,現在検討中である。
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