研究課題/領域番号 |
07760160
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
林産学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
槌本 敬大 東京大学, 農学部, 助手 (00261959)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 木質構造体 / 加力試験 / 振動実験 / 接合部の「あそび」 / 変位戻遅延係数 / 前履歴最大荷重 / 動的応答値 |
研究概要 |
まず、接合部の「あそび」が生じるメカニズムを実験的に把握する目的で、集成材による木質構造体の接合部の静的加力試験を行った。この結果、小荷重においても接合部には微少な「あそび」が必ず存在し、「あそび」の量は前段階最大荷重と関係があることが明らかになった。この結果に有用性があると判断されたので、日本木材学会40周年記念大会(1995年4月、東京)において口頭発表し、「橋梁」(1995年6月号,P. 88-91)に投稿した。 接合部の「あそび」が生じるメカニズム及び強度発現機構を理論的にモデル化する目的で、在来軸組構法における接合部の模型を加力試験に供し、非線形領域に及ぶ荷重変位履歴曲線を得た。独自に考案した変位戻遅延係数αおよび前履歴最大荷重を導入して、実際に同接合部に適用した結果、接合部の「あそび」の挙動およびそれが生じる様子をかなり忠実に再現でき、数値化に成功した。本手法が有用性の高いものであると判断されたので、木材学会誌に投稿準備中である。 次に、接合部にボルト併用挿入金物を用いた木質構造壁体模型に対して振動実験を行い、接合部の「あそび」の大小が固有振動数には影響が少なく、減衰定数に大きく影響することを明らかにし、その実験式を提案した。本実験結果は有用性が高いものであると判断されたので、日本木材学会40周年記念大会(1995年4月、東京)において口頭発表した。 また、在来軸組構法による耐力壁体模型について接合部の「あそび」が発生するメカニズムを考慮に入れた動的応答解析手法を考案し、実際の地震力に相当する衝撃力が作用した場合に適用し、構造体の動的応答値を推定した。その推定結果は実験結果とよく一致し、本手法が妥当性の高いものであることが裏付けられた。本手法の有用性は極めて高いものであると判断されたので、木材学会誌へ投稿準備中である。 さらに、在来軸組構法による実大構造躯体について構造実験を実施し、接合部の「あそび」と固有振動数をはじめとする動的応答との関係を明らかにした。本実験結果は有用性が高いものであると判断されたため、第46回日本木材学会大会(1996年4月、熊本)において口頭発表を行う予定である。
|