研究課題/領域番号 |
07760174
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三浦 猛 北海道大学, 水産学部, 助手 (00261339)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1995年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 精子形成 / ニホンウナギ / アクチビンB / 生体外培養 |
研究概要 |
本研究はニホンウナギを実験材料として、精子形成開始の制御機構を解明する目的で行われた。ウナギの精子形成の開始に拘わる因子は、ヒト絨毛性生殖腺刺激ホルモン(HCG)の投与によって精巣での発現が誘導あるいは消失する可能性が高い。そこでHCG投与によって精巣での発現が消長する遺伝子のクローニングをcDNAサブトラクションの手法を用いて行った。その結果、2種類のHCG投与によって発現が誘導されるcDNAクローン(HCG誘導クローン)と、6種類のHCG投与により発現が消失するcDNAクローン(HCG制御クローン)を得ることに成功した。これらのうちHCG誘導クローンの一つの全塩基配列を決定したところ、その予想されるアミノ酸配列より、このクローンはアクチビンβ_Bサブユニットであることが明らかとなった。このアクチビンβ_BサブユニットのmRNA、およびこのサブユニットのホモダイマーであるアクチビンBタンパクの発現を詳しく解析したところ、このタンパクとmRNAは生殖腺刺激ホルモンによって産生が制御されている精子形成誘起ステロイド:11-ケトテストステロン(11-KT)の刺激によりセルトリ細胞で特異的に発現することが明らかとなった。これらの結果より、ウナギアクチビンBは、精子形成開始に直接拘わる因子である可能性が出てきた。そこで、上述のウナギアクチビンβ_BサブユニットcDNAよりウナギアクチビンBの組換体タンパクを作製し、この組換体タンパクに精子形成誘起能があるか否かを、生体外培養系により確かめた。ウナギアクチビンβ_BサブユニットcDNAを含む発現用ベクターを導入したCHO細胞より単離精製した組換体タンパクを精巣器官培養に添加したところ、培養精巣片中の精原細胞は増殖を開始した。この結果より、ウナギでは、アクチビンBが11-KTによって制御される精子形成誘起因子であることが、ほぼ確定的となった
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