研究課題/領域番号 |
07760192
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
森友 忠昭 日本大学, 農獣医学部, 助手 (20239677)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 魚類 / コイ / 培養 / 造血 / 顆粒球 / Bリンパ球 / 造血幹細胞 / ハイドロコーチゾン |
研究概要 |
哺乳類では、DexterやWhitlock培養法等の長期骨髄細胞培養法が確立されており、前者は主として顆粒球造血を、後者はBリンパ球系細胞の造血を培養下で再現することが知られている。しかし、魚類においては同様の培養法は無く、本研究ではコイの血液細胞の増殖・分化を培養下で再現させることを試みた。 方法:Whitlock型培養では、コイの主要な造血器官である腎臓より造血細胞を分離し、5×10^6〜1×10^7個の細胞を10mlの20%牛胎仔血清、2.5%コイ血清加E-RDF培地中に浮遊させ、25cm^2の培養フラスコにまき、30℃、5%CO^2存在下で培養した。Dexter型培養では上記の培養にさらに10^<-7>〜10^<-6>Mのhydrocorisoneを加えた。 結果:両培養とも、造血組織の間質由来と考えらえる付着細胞層の形成が認められ、これら付着層上に造血細胞が活発に増殖するのが観察された。細胞の増殖は約1ヶ月間維持され、population doublingは20回以上であった。Dexter型培養で増殖する細胞を透過電顕にて観察したところ、いくつかの分化段階の異なる好中球系細胞が観察され、多くの細胞でコイ好中球の特徴である棒状の芯を有する顆粒が細胞質内に認められた。また、Wintlock型培養では、多くの細胞でBーリンパ球に特徴的な微絨毛様突起が走査電顕による観察で認められた。そのため、コイ血清lgMに対するモノクローナル抗体を作製し、細胞表面免疫グロブリンの有無を螢光抗体法を用いて調べたところ、数%の細胞が陽性に染色された。以上より、本培養系を用いることにより、培養下で顆粒球またはBーリンパ球系細胞の増殖が観察され、これら細胞への分化はhydrocortisoneによって制御できることがわかった。
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