研究課題/領域番号 |
07760264
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
束村 博子 名古屋大学, 農学部, 助手 (00212051)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 黄体形成ホルモン / 絶食ストレス / エストロジェン / エストロジェン受容体 / 延髄弧束核A2領域 / 視床下部室傍核 / ブドウ糖 / ノルアドレナリン作動性神経 |
研究概要 |
絶食ストレスは、エストロジェン依存性に黄体形成ホルモン(LH)分泌を著しく抑制する。また、この抑制へのノルアドレナリン(NA)作動性神経の関与が明らかとなっている。本研究は、この抑制系における脳内メカニズムの解明を目的とし、以下の点を明らかとした。 i)卵巣除去ラットに、48時間の絶食ストレスあるいは拘束ストレスを負荷することにより、視床下部室傍核および延髄弧束核A2領域におけるエストロジェン受容体発現が誘起されること、および室傍核へのエストロジェンの急性投与により、絶食ストレス負荷動物においてLH分泌が抑制されることから、ストレスによる室傍核でのエストロジェン受容体の誘起が引き金となり、同神経核ヘエストロジェンが作用することにより、弧束核から室傍核へ投射するNA作動性神経の活性が高進し、LH分泌抑制が誘起されることが明らかとなった。 ii)卵巣除去ラットおよびエストロジェン代償投与卵巣除去ラットに、ブドウ糖利用阻害を誘起する薬物である2-deoxyglucose(2DG)を静脈内投与したところ、LH分泌の著しい抑制が認められ、さらにエストロジェンにより2DGへの感受性が上昇した。また、2DGの第4脳室への投与もまた、同様にLH分泌を抑制したことから、ブドウ糖利用阻害に起因する情報は、弧束核A2領域に隣接する最後野で受容され、室傍核へ投射するNA作動性神経を活性化することによりLH分泌を抑制することが示唆された。 以上の結果により、絶食ストレスによる代謝系の変化のうち、ブドウ糖利用低下が絶食によるLH分泌抑制を引き起こす因子のひとつであること、この利用低下は脳内で受容されること、およびストレスによる室傍核でのエストロジェン受容体の発現が引き金となり、NA作動性神経が賦活化され、LH分泌が抑制されることが明らかとなった。
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