研究課題/領域番号 |
07760304
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
中馬 猛久 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90201631)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | カンピロバクター / ブロイラー / PCR / 孵化鶏卵 |
研究概要 |
Campylobacter jejuniは食中毒起因菌として公衆衛生学上の意義は大きいとされている。一般に、この食中毒の原因食品の特定は困難であるとされているが、最も有力な感染源として鶏卵が重要視されている。ブロイラー農場における出荷時には多くの鶏が腸内にC.jejuniを保菌していることが知られているが、ブロイラーが保菌するに至る要因は解明されていない。これは、本菌を培養検査したのでは、鑑別のために生化学的性状検査に煩雑な操作と長時間を要し、また、環境試料などの低濃度汚染源を調べる上での感度が充分でないことによるものと考えられる。一方、近年、いくつかの菌種でDNAを用いた同定法が開発され、その有用性が確認されている。そこで、鶏糞便中のC.jejuniを迅速かつ特異的に検出することを目的としてPCR法とサザンブロットハイブリダイゼーション(SBH)法を応用してブロイラーおよび発育鶏卵のC.jejuniによる汚染状況を調査した。C.jejuniを保菌していない雛の糞便に菌を混合したサンプルからDNAを抽出してPCR法とSBH法を実施し感度を測定したところ、それぞれ3.4x10^4CFU/ml、3.4X10^2CFU/mlの菌を検出することができた。孵化場から18日齢の発育鶏卵を得て、その盲腸内容物中のC.jejuni DNAを検索した。18日齢の発育鶏卵を約1,000倍に希釈した塩化ベンザルコニウム液に30分浸し無菌的に卵を割って胚を取り出し盲腸を摘出した。その盲腸の内容物中からDNAを上述の方法で抽出してPCRとSBHを実施した結果、PCR法ではすべて陰性であったがSBH法では51例中2例がC.jejuni陽性を示した。これらのサンプルを雑菌培養しても菌は分離されなかったことから、増殖可能な状態で菌が盲腸内に生息し以後の菌の伝播や拡散において何らかの役割を担っているか否かは不明であったが、この成績から、18日齢の発育鶏卵の盲腸内にC.jejuniのDNAが既に存在している場合があると考えられた。
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