研究課題/領域番号 |
07770017
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
瀧澤 俊広 自治医科大学, 医学部, 助手 (90271220)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 酵素細胞化学 / 細胞生物学 / 凍結割断レプリカ法 / 酵素分子 / 視細胞 |
研究概要 |
本研究の目的は、視細胞外節円板膜上のcGMP代謝酵素分子を酵素細胞化学の手法を用いて標識し、レプリカ法で観察することにより、酵素分子の同定と分布様式を明らかにすることである。このためには、レプリカ膜上に酵素活性を検出する新しい方法の確立が前提となった。予備実験の結果から、我々は先ず“酵素活性を検出した後、樹脂包埋した試料の超薄切片による観察では電子密度の高い反応産物として酵素活性が観察されるにも拘わらず、その活性がレプリカ膜上に観察できないのは何故か"という問題を解決する必要に迫られた。そこで、酵素活性をレプリカ膜上に検出するための詳細な条件を検討した。 【材料と方法】ラット腎臓でacid phosphatase(ACPase)活性を検出し、次にその試料を凍結割断し、白金/カーボン蒸着をおこないレプリカ膜を作製した。レプリカ膜をクリーニング液で洗浄した後、グリッドに回収して、電顕で観察・検討しった。【結果と今後の展開】ACPaseはよく知られいるライソゾームの標識酵素であり、腎臓の近位尿細管上皮には多くのライソゾームが存在している。まず鉛法を用いてACPase活性検出を試みたが、レプリカ膜上に検出することはできなかった。一方、セリウム法を用いることによって近位曲尿細管上皮内のライソゾームのレプリカ膜上にACPOase活性が検出できることを明らかにした。鉛法による反応産物は、レプリカ膜の洗浄中に組織と共に溶解したものと推定される。セリウム法による反応産物は、レプリカ膜の洗浄液にも安定であり、レプリカ酵素細胞化学に適している。これによって、レプリカ膜上での酵素活性の可視化の問題が解決され、計画より少々遅れたものの、現在この新しい手法を用いて視細胞外節円板膜上におけるcGMP代謝酵素分子の同定を精力的に進めている段階である。
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