研究課題/領域番号 |
07770025
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
粕谷 善俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70221877)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | エンドセリン / アストロサイト / mitogen-activated protein kinase / PKC / PTX |
研究概要 |
ラット胎児より初代培養(アストロサイト)ACsを調整し、mitogen-activated protein kinase(MAPK)の活性化を増殖性シグナルのindexとしてエンドセリン(ET)‐1による用量依存的作用を検討した。通常培養下のACsでは10^<-10>M以上のET‐1によりMAPKの活性化が確認される一方、lmM dibutyryl cAMPで分化誘導を行ったACsでは10^<-12>M以上のET‐1によりMAPKの活性化が確認され、細胞を分化誘導することによりET‐1に対する応答性が約100倍亢進していた。displacement study、binding studyおよびNorthernblot解析から、細胞の分化誘導に準じてET_BRmRNAの発現が亢進し、これに相関してET‐1結合部位数は約7倍増加していた。しかし、scatchard plot解析の結果から、この結合部位数の増加はlow affinity siteの増加のみによるものであることが示され、ACsを分化誘導することにより確認されるET‐1応答性の細胞内シグナルの亢進機構は、受容体数の増加のみでは説明がつかなかった。すでに我々は、ACsにおいてET_BRを介するMAPKの活性化には百日咳毒素(PTX)感受性経路とprotein kinase C(PKC)依存性経路の二つの経路があることを確認している。そこで、この二つの経路に対する分化誘導の影響をさらに検討した。その結果、通常培養下および分化誘導下で、ACsにおけるET‐1による用量依存的PKC活性化に差が見られないとともに、PKC活性化剤・phorbol 12-myristate 13‐acetateによる用量依存的MAPKの活性化にも差は見られなった。一方、ACsを分化誘導時にPTX処理することによって、分化誘導下に認められるET‐1によるMAPKの活性化の亢進が特異的に抑えられた。以上の結果から、ACsを分化誘導することにより亢進するET‐1応答性の細胞内シグナルは、PTX感受性経路が細胞分化誘導により特異的に増強される事に起因する可能性が示唆された。PTX感受性経路はET_BRからG_iさらにはrasを介してraf‐1に至ると考えられるので、現在これらの介在因子について、さらに詳細に検討を加えている。
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