研究概要 |
顕微鏡とビデオカメラ、画像処理装置を組み合わせた装置で、微小血管内を流れる血液の酸素飽和度とヘモグロビン濃度を2次元の画像として観察した。 ウサギの腸間膜の微小血管網を顕微鏡で観察し、波長の異なった6枚の干渉フィルター(中心波長:529,541,556,563,579,599nm)を通して6枚の顕微鏡画像をビデオカメラでとらえる。この画像を画像処理装置を用いてデジタル化し、512×480のサイズでコンピュータ内に取り込んだ。観察画像データをもとに6枚の吸光度2次元画像を作成した。6枚の吸光度の画像のそれぞれ対応する512×480の各点について、ヘモグロビン量と酸素飽和度を重回帰計算をおこなってもとめ、2次元画像を得た。なお、血管外に同じ計算を実行したときには、両者の値が予想値より大きく異なることを利用して血管網のみの画像とした。 ウサギ腸間膜の微小血管床について実験をおこない1本の血管を連続した2次元画像として捕えた。脱酸素化にともなう酸素飽和度の変化から、1本の血管について酸素放出速度を得ることができた。また、ヘモグロビン濃度と血管内径の関係から各部位におけるヘマトクリットを計算し、微小環境におけるヘマトクリットの低下、いわゆるFahraeus効果を2次元画像として得ることができた。
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