雑種成犬をケタミン麻酔下に脱血致死させ、脳底動脈・腸間膜動脈・冠動脈・腎内腎動脈および大腿動脈末梢部を摘出し、長さ2-4mmの環状標本を得た。5%CO2・95%O2で通気した37℃リンゲル液中に浸漬し、等尺性張力変化を測定した。各標本をProstaglandinF2αで前収縮させた後、adrenomedullin(AM)1-100nMまたはcGRP0.3-30nMを累積的に投与すると、用量依存性の強い弛緩反応がみられた。内皮除去標本のAMおよびcGRPに対する弛緩反応は、内皮温存標本のそれよりも弱かった。内皮温存・除去のいずれの標本においても、AMに対する弛緩反応の強さは、脳底=腸間膜>腎【greater than or equal】冠>大腿動脈の順であった。一方、cGRPに対する弛緩反応の強さは内皮温存標本で腸間膜>脳底>大腿>腎>冠動脈の順であり、内皮除去標本で腸間膜>脳底>腎>大腿>冠動脈の順であった。以上より、AMはcGRP同様にきわめて強い血管平滑筋弛緩作用を有すること、この作用は一部内皮依存性であるが、一部は血管平滑筋への直接作用によることが示された。AMはcGRPと構造が類似していることから、AMの弛緩作用はcGRP受容体を介しているという説がある。しかし、AMの血管作用の部位特異性はcGRPのそれとは異なることから、AMの血管作用はGRP受容体を介したものとしては説明できな
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