研究課題/領域番号 |
07770107
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
志水 泰武 愛媛大学, 医学部, 助手 (40243802)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 褐色脂肪細胞 / インスリン / グルコース輸送体 / ノルエピネフリン / 交感神経 / β_3アドレナリン受容体 / cAMP / ビスマンノース誘導体 |
研究概要 |
申請者はこれまで褐色脂肪組織におけるグルコースの取り込みが、インスリンとは別に交感神経によって促進されることを見出し、その作用機構がインスリの場合とは対照的に、グルコース輸送体(GLUT)の細胞内分布の変動を伴わないことを明らかにした。本年度は、グルコース輸送を促進するノルエピネフリン(NE)の作用機序を、初代培養褐色脂肪細胞を用いて解析した。NEは濃度依存性にグルコース輸送を促進し、この効果は約1/100の濃度のβ_3-アドレナリン受容体作働薬(BRL37344)で再現された。ノーザンブロットの結果、この細胞に発現するβ受容体のサブタイプは主にβ_3受容体であることが確認できたので、NEの作用はβ_3受容体を介するものと結論した。また、NEの効果は、細胞膜透過性のcAMPアナログで再現され、cAMPのアンタゴニストであるcAMP Rp-S isomerで抑制されることから、cAMPが細胞内セカンドメッセンジャーとして働くことが明らかとなった。GLUTのグルコース認識部位に特異的に結合する細胞膜非透過性のラジオリガンドであるビスマンノール誘導体(ATB-BMPA)を用いて、この細胞に存在する2種類のGLUT(GLUT1とGLUT4)の挙動を解析した結果、インスリンがGLUT4に対する標識を増加させるのとは対照的に、NEはGLUT1に対するリガンドの結合を促進することが判明した。細胞膜を分離してウエスタンブロットによりGLUTの量を定量すると、インスリンを作用させた場合はGLUT4タンパク量が増加しており、ATB-BMPA結合の増加は細胞膜上にGLUT4が局在化した結果であると考えられた。しかし、NEを作用させた場合には、細胞膜におけるGLUT1タンパクの量的な変化は認められず、GLUT1におけるATB-BMPA結合の増加は、GLUT1のリガンド(グルコース)に対する親和性の増加を反映するものと推察される。
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