研究課題/領域番号 |
07770275
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
山縣 然太朗 山梨大学, 保健管理センター, 助教授 (10210337)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 骨粗鬆症 / 骨密度 / エストロゲン受容体遺伝子 / 遺伝子多型 / PCR / 生活習慣 / ビタミンD受容体遺伝子 |
研究概要 |
申請者らは健康な日本人女性についてビタミンD受容体遺伝子(VDR)多型と骨塩量の関連を明らかにした。本研究では、他の骨塩量関連の遺伝子として、I型コラーゲン遺伝子(COL1A2)及び、骨芽細胞の表面にその存在が確認され直接作用することが示唆されたエストロゲン受容体遺伝子(ESR)を取り上げた。対象は一農村地域の健康な女性(28-69歳)である。約1年間隔でDEXA法で測定した骨密度と生活習慣およびゲノムDNAをもとに解析した。 まず、COL1A2上にある遺伝子多型をPCR法により観察した。Exon13に存在するEcoRI制限酵素断片長多型(RFLP)はallele1の頻度は0.44、allele2の頻度は0.56であった。この遺伝子型による骨密度に差はなかった(1/1:1.028±0.226g/cm^2、1/2:0.866±0.153g/cm^2、2/2:0.987±0.078g/cm^2)。 次に、ESR遺伝子多型についてIntronlに存在するPvuIIおよびXbaIのRFLPおよびIntron2に存在するBstUIのRFLPを観察した。これらの日本人の遺伝頻度はまだ明らかにされていない。本研究の対象者ではPvuIIは遺伝子型0/0、0/1、1/1がそれぞれ、43、58、19であった。この遺伝子型に対する骨密度はそれぞれ、1.401±0.255g/cm^2、0.944±0.202g/cm^2、0.941±0.305g/cm^2であり、allele0を持つものの骨密度が多い傾向にあったが、分散分析で有意差はなかった。また、生活習慣や体重、閉経状況を独立変数に加えた重回帰分析でもPvuII遺伝子多型は有意な関連を示さなかった。XbaI遺伝子多型はPvuIIの近傍に存在する遺伝子多型であるが、PvuIIと必ずしも連鎖していなかった。現在、解析を進めている。B_<st>UI遺伝子多型はノルウェイから報告があるが、日本人の本対象者では多型は存在しなかった。 本研究ではVDR以外の遺伝子多型と骨密度、生活習慣との関連を検討したが、本対象者については骨密度に対する遺伝要因としてはVDR遺伝子多型のみ関連していた。最近、骨粗鬆症患者との症例対照研究においてESR遺伝子が関連しているとの学会発表があったが、ハプロタイプなどを考慮して、さらに検討したい。
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