研究課題/領域番号 |
07770280
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学・健康科学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
守屋 尚 広島大学, 医学部, 助手 (40243563)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | C型肝炎ウイルス / 母子感染 / HCV RNA / HCVコア蛋白量 |
研究概要 |
1.C型肝炎ウイルス(HCV)の母子感染成立の要因に関する検討 出産時の母親の血中HCV量と母子感染成立との関連の有無について前向き調査により見い出された51例のHCVキャリア妊婦(このうち3例が感染成立例)を対象とし調査した。出産前後3日以内に採取された血清を用いて、bDNA法によるHCV RNA量およびEIA法によるコア蛋白量により血中HCV量の測定した。感染成立例の母親の出産時の血中HCV量はいずれも高い値を示しており、出産時の母親の血中HCV量が感染成立を左右する重要は要因の1つであることが確認された。 また、母乳哺育と母子感染成立との関連の有無についても調査を行ったが、両者に関連が認められなかった。 2.HCVキャリアの母親から生まれた児の追跡調査 母子感染によりHCVに感染した児10例(C型肝炎ウイルスキャリア妊婦を起点とした前向き調査により見い出した8例および生後12カ月未満にHCVに感染していることが判明した児の家族調査により母子感染が強く疑われた児2例)を対象とし、定期的な血液採取を行い、採取が可能であった時点での児の血中HCV RNAの検出を試みた。3例が経過中血中HCV RNAが陰性となりキャリア状態からの離脱の可能性が示唆され、7例は観察最終時点で血中HCV RNAが検出されHCVの感染の持続が確認された。 一方、HCVキャリアの母親から生まれた児のうち生後6カ月の時点で血中にHCV RNAが検出されなかった児を対象とし、生後12カ月目(70例)および生後18カ月目(15例)の時点で血中HCV RNAの検出を試みたが、いずれの時点でも全例陰性であった。 以上の追跡調査により、1)母子感染例の中にはHCVキャリア状態からの離脱する児も存在すること、2)また生後6カ月以降の新たな感染はほとんどないことが明かとなった。
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